求人広告屋の掘った穴

記事には書けないことを、吐き出したい。

就活塾なんて、あやしくて当たり前。だって誰でもはじめられるもん。

こないだ、こんなニュースが話題になっていた。

就活塾、人気の裏でトラブルも 高額な入塾料や強引なクレジット契約など MONEYzine

同業界というわけではないけれど、ほとんどお隣さんのような業界なので、内幕を聞いたり目にしたりする機会も多いが、「やっぱりなぁ」というのがぶっちゃけた感想だ。

ニュースで取り上げられているような詐欺まがいの方法は論外としても、本当に素人が突然、始めました。みたいなケースが少なくない。なぜならこの「就活塾」というビジネスは、めちゃくちゃ参入しやすいのだ。まず、とにかく元手がかからない。講師としては、大学生に基本的なビジネスマナーを教えられる人間が最低一人いれればいいし(ほとんどの社会人が当てはまる)、教室はどこかで借りればいい。テキストは適当に就活本を切り貼りすれば、なんとなくできる。特別な資格も認可もいらない。とりあえずWebサイトでもつくって、就活塾を名乗れば始められる。お金をかけたくなければ、twitterやらfacebookなどを使ってソーシャルを使って集客をすればいい。講師役としては、そこそこ名の知れた企業の出身者がいればベスト。最悪、「一部上場上企業で人事を担当うんぬん」などとぼやかした表現を使えばいい。実績に関しても「昨年は大手企業、上場企業で内定多数!」など、尾ひれをつけまくって適当に盛る。あとは集客具合に応じて箱を大きくしたり、人を増やしたりすればいい。

しかも偏差値の変化などによって、ある程度、定量的に成果が見込める予備校など違って、就活塾というのは介在価値が見えづらい。もしかしたら、同じ企業から内定が出ていたかもしれないし、もっと希望に沿った企業に決まっていたかもしれない。そんなの誰にも分からない。いい企業に内定が決まったら、就活塾の手柄。ダメだったら、本人の努力不足とか運とか相性とか、景気動向の問題に転嫁できる余地がある。

もちろん、全ての就活塾がそんな所だとは言わない。でも簡単に参入できる流行のビジネスという程度のノリでやっている所があることも、また事実だと思う。確かに日本の就職活動というのは、特殊な世界で、(特に大手の)選考を突破するには、蓄積されたノウハウを活用した方が有利な面もある。また引っ込み思案なタイプなどは、ハキハキ話せるようになるだけで、かなり勝率も変わってくるはずだ。だから就活塾なんて、辞めてしまえとは言わないけれど、利用する時は慎重に選んで欲しい。