求人広告屋の掘った穴

記事には書けないことを、吐き出したい。

玉石混淆の中小企業からブラック企業を避ける方法。

長間労働やサービス残業をさせる、暴言やパワーハラスメントを繰り返して退社に追い込む――。いわゆる「ブラック企業」が社会問題化する中、若者の間で情報が不足し、実際はブラック企業でもない中小企業への警戒感が広がっている。そもそもブラック企業に明確な定義はなく、平成20年のリーマン・ショックを背景に、インターネット上から拡散したといわれる。「若者の使い捨て」が疑われる劣悪な労働環境の企業を指す場合が多く、最近では就職活動中の若者が、情報の少ない中小企業をブラック企業の可能性が高いと誤信し、避ける傾向があるという。厚生労働省はこうした誤った認識を改めようと、中小企業を求人面から支援する制度を始めたものの、数字は伸び悩む。さらに企業側が「ブラック」認定されダメージを受けるケースも出始めるなど、さまざまな波紋が広がっている。
「ブラック企業は避けたい」……過剰警戒が生む“雇用ミスマッチ” Business media誠

簡単に要約すると昨今「ブラック企業」論が盛り上がる中で、
若年層の求職者の中で「ブラック企業」を過度に警戒する風潮があり 、
情報も少なく知名度もない中小企業が「ブラック企業」と疑われ
敬遠される傾向になって困ったもんだ、という感じでしょうか。

まぁ、これ本当にそうなんですよね。
僕たち求人広告屋さんの実感としても、大手志向が強まっているというのは感じます。
特に新卒採用。でも同時に毎年、「もったいないなー」と思うことも事実です。

いや、いい中小企業って、いっぱいあるんですよ。
ただ大手だとかただ知名度が高いだけの企業に比べれば、
「職場」として見た時に、すごく魅力的な企業が。
実際に担当してきた数多くの企業の中で
「もう一度、就職活動するならこの会社に入りたい」と思える会社は
いくつかありますが、そのほとんどが中小企業です。

でも、こういった企業に学生さんはなかなかエントリーしてくれないんですよね。
そりゃ、お前のつくる広告がイケてないんだろう言われれば、それまでですが、
やはり知名度ない中小企業には学生さんは集まりません。
また実際問題、中小企業というのは労働環境が悪い企業が多いといえば多いです。

ということで、そんな玉石混淆の中小企業から
ブラック企業を見分ける方法というよりは、
埋もれたホワイト企業の見つけ方をちょっとご紹介したいと思います。

ただブラック企業というと、ちょっと言葉の射程が広すぎるのでここでは、

ブラック企業について、若者の労働相談を行うNPO法人「POSSE」によると、(1)長時間勤務など過酷な労働の末、辞めさせる「使い捨て型」(2)大量に採用して成果を上げさせた者だけを残す「選別型」(3)パワハラやセクシャルハラスメントが常態化している「無秩序型」-の3類型に分類されるという。

で定義されている(1)と(2)を持ってブラック企業としたいと思います。
(3)はたぶん、働いている社員に知り合いがいるとかじゃないと、分からない。

さて、で、本題のブラック企業を避ける方法なんですけど、
もうこれは一言で済んでしまう話で、
「事業そのものの競争優位性に優れた会社を見つけよう」につきます。

以前も少し書いたけど、
ブラック企業がブラック化する原因は、
右肩上がりの経済成長が終わってどの業界でも競争が激しくなって、
ほとんどの市場が成熟して製品やサービスがコモディティ化した今、
その付加価値を生み出さなきゃいけないのが現場の人間になりやすいという点にあると思う。
そしてその付加価値とは(凄まじく優秀な一握りの人材をのぞけば)
「人より一杯はたらく」「人より長く働く」という話しになりやすい

つまり、その企業の商品やサービスが優れていないから平凡だから
働く従業員に対して「より安い給料でより長時間働け」というしわ寄せがいく。

すごく乱暴な言い方をすれば、コスト競争に陥りやすい
労働集約型の企業なんてほとんどが
今どき大なり小なりブラック的要素を持っていると思うんです。

だから、付加価値を現場の社員が個人の裁量で生み出す必要のない
「事業そのものの競争優位性に優れた会社を見つけよう」というのが
ホワイト企業を探す絶対条件になってくるんです。

そういうと「おいおい、そんな企業みんな応募しちゃうよ」と
思われるかもしれませんが、実際問題、中小企業だとやはり応募は集まりづらいですし、
大手有名企業と知名度の高いBtoC企業が人気になりやすい日本の就活戦線では、
相対的に狙い目なのは間違いありません。特に中小の優良BtoB企業は非常に狙い目です。

また多くの学生さんが「そんなの分かるわけねぇじゃん」と思うかもしれませんが、
インターネッツが発達している今なら、調べようと思えばいくらでも調べられるはずです。
パターン的には以下のような企業が上記に該当しやすい気がします。

・ニッチな市場で圧倒的なシェアを持っている企業
・独自のビジネスモデルを展開し競合らしい競合がいない企業
・その会社しかない技術を持っている企業
・すでに高い人気を誇っているコンテンツを持っている企業
・日本ではほとんど無名だけど、海外でやたら実績のある企業
・参入障壁が高く変化の少ないマーケットで、高いシェアを持っている企業
 ※医療周辺の業界に多い気がする

で、こういった会社は以外なほどありますし、その多くが中小企業です。
そしてこういう企業のリクナビやマイナビには、僕たち求人広告屋さんも、
そのようなことを書くケースが多いです。

ただ問題は対して珍しくもないのに
「独自のビジネスモデル」とか書いてあるケースもあるので、
その辺のウラ取りは、しっかり自分で行ってみて下さい。

少なくとも、一部上場しているだけの大手居酒屋チェーンに、
大手という理由だけで、有名という理由だけで、
学生時代よく利用したという理由だけで、
いくよりは個人的にはマシだと思います。

また余談になりますが、
こういった企業を取材してて非常にうらやましいなと思うのは、
働く社員の人達が自分達のリソースを「競合他社に負けないように」
「市場から取り残されないように」使うのではなくて
「事業・サービスをより良くするために」使っていること。

非常に前向きに仕事ができている雰囲気があるんですよねぇ。あれがうらやましい。