『B型の人NGって、書けないかな』と、その人事担当者は真顔で言った。
最初は冗談だと思ったけど、至ってまじめだった。
国籍、人種、性別、出身地…
世の中には、色々な就職差別がある。
先天的な、本人にはどうしようもない要素を
採用上の判断に適用すること。知識としては知っているし、
求人広告をつくる上でのタブーとして、教えられてはいたけども、
実際、「男性を採用したい」「女性を採用したい」という性別を除けば、
そういったニーズを企業から聞くことはなかった。
※そう思うと就職上の性差別というのは、かなり一般的だ。
だから、油断してたのかもしれない。
確か、営業職の募集だったと思う。
取材も一通り終わった雑談中、なぜか血液型性格診断の話になっていた。
ちなみに僕は、血液型性格診断なんて、
本当に無意味な、社会的害悪だと思っているので、
友人が家族や、そんな話題を口にすると、わりと露骨に嫌な顔をする。
もちろん社会人としてのたしなみはあるので、
その時は、適当に相づちをうっていた。
そこで、『B型の人NGって、書けないかな』。
という担当者の発言があったのだ。
非常に温厚で常識的な人だったから、
最初は冗談だと思って、「ハハハ、そうですね〜」
と、これまた適当に相づちをうっていたのだが、
担当者の方は、いつの間にか真顔になっていて、
こう続けるのである。
『そうなんだよね。B型の人って使えないから、
やっぱり応募されても困るからさ求人広告に書きたいんだよね』
あっ、これはマジだ。
「さすがに無理ですね」と少し苦笑い言ったら、
『ですよね』と納得していただいて、ホッとしたのだけど、
よくよく考えれば、笑い話ではすまない。
ということで、面接などで血液型を聞いてくるような企業は、
クソなので、その場で席を立ちましょう。