就活生のみなさま、「人事の人柄」は最悪の入社理由です。
大手ナビサイトもオープンし、今年も新卒採用がスタートした。
僕が担当しているのは正社員の採用に関する領域なので、
通常の中途採用の案件に加えてドサッと新卒採用の案件が増える12月前というのは繁忙期。
広告のライティングだけでなく、取材なんかも多くなる。
大手ナビサイトの記事を見た事ある人なら分かると思うけど、
あーいうのには大抵「先輩取材インタビュー」的なコーナーがあって、そのための取材も多い。
そしてそこに登場するのはその年の新卒社員ということも少なくない。
学生にとっては、一番身近な存在だから記事に親しみがもてるし、
取材側としてもその意見は広告制作の参考になる。
まぁ、いろいろと質問するんだけど、その中で当然「入社の理由」も聞く。
そして毎年、一定の割合で返ってくる答えがある。
それが『人事の方の人柄が良くて決めました』というヤツだ。
これまで数百人以上に取材してきたけど、本当に何度も何度も耳にしてきた。
今年もあったし、あぁ、またそれかと思う。
もちろん記事におこすには、ちょっと弱いので
もう少し質問を追加して「社風にひかれた」みたいな記事にしたりするのだけど。
いや気持ちは分からないでもない、人事や選考課程であった社員の方の人柄が、
その会社の社風を象徴しているような気持ちになってしまうし、
どうせ働くならいい人と働きたいと思うのが人情だ。
ただ前提として人事担当というのは割と人あたりの良い方が抜擢されることが多い。
仕事上、多くの企業の人事担当とのやり取りがあるが、概して親しみやすく感じの良い人ばかりだ。
特に新卒採用の担当ともなると年下ともフランクに話せるような人材が選ばれる。
かつてネット上で、ブラックだと散々叩かれている
企業を担当させてもらったことがあったが、その人事担当者も非常に人当たりが良く
新入社員の良いお兄さんという感じだった。
そしてその新入社員が口を揃えていたのが「人事の人柄で入社を決めました」だった。
彼らの半分以上は、その年に退職してしまったらしい。
そして実は新入社員の多くが
「人事の人柄で入社を決めました」という企業には共通点がある。
それは知名度もなく、規模もそれほどでもない中小のBtoB企業だ。
そしてそこからは、ある一つの構図が見えてくる。
内定が出ない焦りの中で、とりあえず色々な企業にエントリーしてみたら
ある一社で選考が進んでしまって、
「よくわからない会社だけど、まぁ人事の人も良さそうだし、いいかな」
と入社を決めてしまう姿だ。
気持ちは分かるけど、そんな決め方は止めた方がいい。
その人事担当者がいい人でも配属された部署の上司が嫌なヤツだったら、おしまいだ。
せめて仕事内容とか事業内容とか、給与とかで決めた方がいい。
ということで、現在、就職活動中のみなさま、
「人事の人柄で入社を決めました」というのはやめましょう。
この辺の記事も参考に… 玉石混淆の中小企業からブラック企業を避ける方法。